家族親友、そして自分までもが瓜二つの替え玉だと錯覚する「カプグラ症候群」

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medium_222719029家族や親友が別人と入れ替わっている。そして気づけば鏡に写る自分もニセモノだ。自分のまわりにある「物」すらすり替えられたように感じなにも信じられなくなる・・・。こんな奇妙な妄想に取りつかれるのが「カプグラ症候群」だ。

鏡に映る他人

とある精神病院にジョセフという患者がいた。彼が鏡を覗き込むとそこには見知らぬ人物が写っている。ジョセフは不思議に思い、自分のほほをつねってみた。すると鏡の中の人物も自分のほほをつねる。いや、しかし、それはどう見ても自分ではないのだ。ニューヨーク在住のロザモンドという老婆も同じような問題を抱えていた。彼女の場合、鏡に映るのは夫を奪おうとたくらむストーカー女である。ロザモンドは鏡に映る女性を罵倒し、攻撃しようとするので、夫は家中の反射物をすべて覆い隠さなければならなかった。

カプグラ症候群の患者は以上のように鏡に写った自分を自分だと認識できなくなってしまうことがある。

あらゆるものが「ニセモノ」に

入れ替わったと感じるのは鏡の中の自分だけではない。それは家族や親友、そして周りの物にも及ぶ。中には自分のペットが偽物であると感じる患者や、自分が寝ている間に自分のすべての所有物が入れ替えられたと信じる患者もいるという。

決して珍しい疾患ではない

顔ニューロンが存在する領域(wikipediaより)

顔ニューロンが存在する領域(wikipediaより)

ヒトの脳には人の顔を認識する領域と感情を認識する領域が独立して存在する。カプグラ症候群はこのふたつの領域がうまく交通できないことが原因だと言われている。そしてこの病気は決して珍しいものではなく、ある種の認知症や統合失調症などによって引き起こされることが知られている。

(参考)
・Victims of Capgras syndrome often cannot recognize their own image
http://old.post-gazette.com/pg/03266/224822.stm
・wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%97%E3%82%B0%E3%83%A9%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4
・『text精神医学』(南山堂)

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